今日は、バレリーナのコンディショニングに行って来ました。
踊る演目の役作りなどで頭がカチコチになってしまい、行き詰まってしまったので
呼吸法と瞑想で心と体のバランスを取り戻すメニューを行いました。

今日の生徒さんは、私がバレエ教師をしていた頃から見させてもらっている子なのですが、
高校生の頃に海外のバレエ団のオーディションに受かって留学することに
なりました。

その子は、何がほかの子と違うかというと、力を抜くことが
出来る子だったのです。
とにかくバレエは、足を外に向けて、足をまっすぐ伸ばして
背筋もぴんとして、おなかに意識を集中して。。。と
立つだけでもいくつもの決まりごとがあり、ガチガチになってしまうことが
よくあります。
でもそれは「コツ」であって、そんなに全身力がはいっていては
飛べないし回れないし、何より優雅ではありません。

でもどんなに力を抜いて、といってもみんなどこか緊張して
力を抜くことが出来ないのです。

そんな中、その子だけは、力を抜いて、と言うと、ぐにゃりと力を
抜くのです。床にへたり込んでしまうくらいのときもあります。
クラスの中では、彼女がふざけていると思って笑いが起こったり
まじめな子は気分を悪くしたりします。
でもこれはとっても大切で、かつ難しいことなんです。

これはバレエに限ったことではないと思うのですが、力を抜くこと、
これは体の隅々を使える状態にすることなのです。

きっとほか習い事でもどんなときでも、まず先生に力を抜いてと
いわれると思います。
それはただ、落ち着いてという意味ではなく、文字通りからだを重力に
任せなさいということなのです。

その子はある時からとっても自由に体の隅々までを使って踊ることが
出来るようになりました。力を抜いた状態で、体をコントロールできるようになったのです。
力がうまく抜けていると、とっても軽やかで早い動きも
アタマで思うようにすいすいと出来ます。そしてとてもダイナミック。

そんなところが海外のバレエ学校の先生方のめにとまったのでしょう。

もし何か習い事をしていて、行き詰ったと思っている方がいたら、
一度ぐにゃりとなるまで力を抜いてみてください。
もしかしたら思いがけない力が発揮されるかもしれません。